アトリエほびっと of 一般社団法人おんなたちの古民家

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File5 アトリエほびっと(山口市木町)
夢とアイディアがつまった手作りの空間
大正時代の古民家が造形絵画教室に

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インタビュー対象者 プロフィール
楢松真実子さん(31)・・・アトリエほびっと主宰、趣味はフラダンス。

いつからこの古民家に住んでいますか?

ここに引っ越してきたのは3年前です。その前は、市内の竪小路で、同じくらい古い平屋の民家を借りて、アトリエの活動をしていました。

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どのようにしてこの古民家を見つけたのですか?

以前、同じようにこの家を使われていたこどもに関わる活動団体と縁があり、引っ越しで出られる事を知り、私がここに入居することをきめました。前のアトリエが少し手狭になってきていた事と、今度は住居も兼ねる事を希望していましたので、即決でした。

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広さはどのくらいですか?

土地は133坪で、アトリエ兼自宅にしています。アトリエ部分は約7・5坪です。

築何年ですか?

継ぎ足している部分もあるのですが、古いところは大正時代なので、築90年くらいだと思います。

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改装費はどのくらいかかりましたか?

電気をつけたり、ペンキを塗ったりと、全ての作業を業者を入れずに自分達でやったので、かかった費用はペンキ代などの材料費だけで10万円くらいです。

なぜ、古民家でアトリエを開こうと思ったのですか?

「古民家」を条件で探していたんです。手を入れるのが好きなので、古い家を自分の好きなようにしたいというのが昔からの夢でした。私自身、小さいころからこういう借家を転々としていたので、新しい家よりも、古い家が落ち着くんですよね。冬は寒いので「いやだな~」とかいいながらも、工夫して使うのが好きだったりします。

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古民家のいいところはどんなところですか?

夏に涼しいところです。あと、なぜか人が集まってくるところかな。みんな落ち着くって言ってくれますよ。それから、今まで住んでいた人が、使い勝手のいいようにいろいろと改装してくれているので、とっても住みやすいです。例えば、納屋も台所からすぐ出られる場所にあるので、資源ごみなどを人目につかないように置けたり、いろいろ考えられているな~と思います。これまで住んでいた人の形跡がわかるのも楽しいですよ!

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大変なことはありますか?

お風呂が寒いのと、台風が怖いことです(笑)。でも、季節を感じられるのでいいですよ。

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生徒さんたちの反応はどんなですか?

子どもたちも、お庭がない家に住んでいる子がほとんどなので、みんなお庭いいな~って言ってくれます。最近の家はわかりやすい造りだけど、このお家は、階段の登り口に扉がついていてどこが階段なのかわからなかったり、「迷路みたい」といって面白がっています。

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古民家に住んでみて、考え方などで変わったことはありますか?

「絶対に残さないといけない」と強く思うようになりました。こんな雰囲気の家は、二度とつくれないと思うし、人の歴史もいっぱい詰まっているのが古民家だと思うんです。庭に桜の木があるのですが、ここまで大きくなるのにどれだけ時間がかかったんだろうと思うと、大家さんが大事にしてきたお家なんだということに改めて気付かされます。

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今後、何年この古民家に住みたいですか?

できれば、ずっと住みたいです。この家の終わりも見たくないし、仮に私が出て行って、ある時この家の前を通った時に、更地になっていたら泣きそうになるのが想像できます。「この家は私が守る」という変な使命感があるんです(笑)。

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将来の夢は何ですか?

発展しなくてもいいので、今の状態がずっと続いたら幸せだな~と思います。今は、ここで子育てをできるのがとても楽しみなんです。最近はバリアフリーの家をよくみるけど、私は逆と思っていて、子育てをするなら至れり尽くせりの家よりも、絶対に古民家がいいと思っていました。子どもには、人として大切な感覚や生きる知恵を、こういう家で身につけてもらいたいです。

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これから古民家でお店を経営したいという人にアドバイスはありますか?

「古民家を残したい」と思ってくれる人がいるだけでありがたいです。寒くても、前向きに、工夫することを楽しんでください。便利に便利に改装するのではなく、古民家の良さを生かしてもらったら嬉しいです。

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コメント

家の前の大きな桜の木がその歴史を感じさせてくれる「アトリエほびっと」さん。私が子どもの頃に、もしこんな絵画教室が家の近くにあったら絶対通いたかった!と思う、素敵な教室でした。木の枝からはかわいい飾りがつるされていたり、家の中に入ると、目の前に広がる空間は、まるでおしゃれなカフェ。お酒の一升瓶に入れる「じょうご」を叩いて手作りしたユニークな電気、子ども用の小さなキッチンなどなど、楢松さんのアイデアが詰まった楽しい夢の世界は、その場にいるだけで自然と楽しい気持ちにさせてくれるから不思議です。きっと、ここで絵画や造形を習っている子どもたちは、想像力豊かな大人になるんだろうな~と嬉しくなりました。人として大切な“感性”が磨ける貴重な場所ですね。そして、インタビューを通して、楢松さんの「この古民家を簡単に取り壊してはいけない!」という強い気持ちが伝わってきました。人の歴史や思い出がたくさんつまっている古民家。これからも、この素敵なお家で、子どもたちの笑い声が絶えない教室を続けていってほしいです。そして、古民家での子育てもがんばってくださいね。真実子さん、今回は協力していただき、本当にありがとうございました。Natsuko (2011.5.28)

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Dreaming Story
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