File6. 人と地球が喜ぶ暮らし「わっか屋」 (山口市金古曽町)
今までの人生で、この家が一番好き!
まきストーブ、保存食づくり・・・季節を感じさせてくれる古民家の魅力
インタビュー対象者 プロフィール
角 麻衣子さん(30)・・・趣味は梅干しや味噌づくり。自然の恵みに感謝して、保存食を作ることが大好きです。
いつオープンされたのですか?
2008年の9月です。
なぜ、古民家でお店をしようと思ったのですか?
ずっと頭の中にイメージがあって、自分がいつかお店を開くなら、土間や畳のある古民家がいいなと思っていました。そしたら見つかったんです!
どうやってこの場所を見つけたのですか?
山口まちづくりセンターのホームページで見つけました。
築何年のお家ですか?
築79年です。
改装費はどのくらいかかりましたか?
土間や部屋の壁塗り、棚つけなど、改装は全部自分たちでやりました。お店を開くのにかかったのは、電気屋さんに頼んだのと、材料を買ったのなどを合計しても60万円くらいでした。
お店の広さは?
1階が店舗、2階が住居兼店舗にしていて、床面積は105.45平方メートルです。
古民家でお店をしてみてよかったところは何ですか?
今までいろいろ引っ越しもしてきたけど、人生の中でこの家が一番好きと思えることです。それに、お客さんにも「落ち着く」「懐かしいね~」とよく言ってもらえます。近所の人との「つながり」がすごくあるのも、古民家だからかもしれません。お客さんには、若いお母さんが多いのですが、通りがかりのおばあちゃんも立ち寄ってくれるのが嬉しいです。畳があるので、ごろんと寝転がる人がいたり、赤ちゃんに授乳するお母さんもいらっしゃいます(笑)。これは、床だけのお店ではできないことですよね。それから、風通りがすごくよくて、季節を楽しめるのもいいところです。お店に差し込む夕方の光は、言葉では表現できないくらいキレイなんですよ。それに、夏は涼しく、冬は光が奥まで入ってきて、昔の人の知恵を感じます。
古民家で暮らして不便なところは何ですか?
梅雨時期に湿度が高くなることくらいです。
古民家で仕事を始めて、考え方などで変わったことはありますか?
まきストーブをつけられたことは、大きかったと思います。これも、街中のテナントだと無理でしたが、土間のある古民家だからできたことです。昔の人たちは、かまどや薪風呂で火を使う生活をしていたはずですが、今はそういう経験をしたことのない人がほとんど。古民家は、そんな昔の人の暮らしを思い出させてくれるし、そういう暮らしは豊かだな~と心から思います。それに、この家に住み始めて「家が生きている」というのを感じます。家と対話できるというか、いつも「家さん、ありがとう」と思えるんです♪
これから何年くらい、この場所でお仕事をされる予定ですか?
おばあちゃんになるまで、やりたいです。
今後、古民家でお店を開きたいという人に、アドバイスはありますか?
アドバイスというよりも、どうにかして古いものを残してほしいので、これから昔の良さを生かして何かやりたいという人がどんどん増えて、崩されるお家が少しでも残っていけば本当に嬉しいです。
最後に、今後やってみたいことや夢はありますか?
夢は世界平和なので、やるべきことはたくさんありますね。今を大事にしながら、お客さんが笑顔で喜んでくれる場所であり続けたいです。そして、嬉しい「わっか」がいっぱい広がっていってほしいと思います。
コメント
古民家の良さを、私たちに改めて感じさせてくれる「わっか屋」さん。“わっか”には、アイヌ語で「水」、イヌイット語で「こんにちは」、輪、環、和、つながり、つなぐという意味があり、作る人・自然・世界とのつながりの見える、心・体・地球にやさしいモノを紹介してくれる素適なお店です。風合いのある建物に足を踏み入れると、かわいらしい店長さんが笑顔いっぱいで迎えてくれ、自然と心が癒やされます。広い土間には、木の机や棚が置かれ、そこにはこだわりを持って作られたモノがたくさん並んでいます。山口で育った有機野菜やお米、お茶、体に優しいオーガニック食品、天然酵母のパン、職人さんの手仕事のもの、フェアトレードの雑貨、さらに麻衣子さんの夫でありオーナーの角さんが作る温かみのある木の器やカトラリーなどなど、どれも優しい気持ちになれる品ばかり。土間の奥は畳になっていて、おばあちゃんの家に来たみたいに、ゆっくり過ごすことができます。それに、「古民家は、さんさんと太陽が入るわけではないので、保存食を作るのにも向いている」ということを教えてもらいました。古民家での暮らし、火のある暮らし、少し手間がかかるけど、昔の人が当たり前にしていたことを、今も大切にし、それを心から楽しんでいる角さん夫婦の生き方は、本当にかっこいいです! 麻衣子さん、今回は取材に協力していただきありがとうございました。またお店に遊びにいきますね♪ Natsuko(2011・5・31)
Dreaming Story
「この古民家気になる!」「この人に会ってみたい!」という人は、お気軽に「おんなたちの古民家」までご連絡ください。